神社の参拝方法についてご質問を頂く事がありますが、目上の方を訪問する時の事を考えればきっと理解しやすいのではないかと思います。
鳥居をくぐる時、一礼してからくぐったり、参拝が終わり境内から出る時に鳥居をくぐり社殿の方へ振り返り一礼されている方をご覧になったことがあると思います。社殿の前で参拝するのに何で鳥居をくぐる時に一礼をしているか?と不思議に思われる方もおられるようです。
例えばですね、会社の面接室に入る時、一礼してから面接室に入る方が大半だろうと思います。
いきなり面接室にズカズカと入っていき、「面接お願いします」という方は皆無でしょう。
神社の参拝方法には敬意を表した作法がたくさんありますので、その中から今日は鳥居のくぐり方をご紹介いたします。
鳥居のくぐり方
まず、神社の上座と下座について知っておくと、わかりやすいと思います。
上座を順番で説明すると、最上位は中央になります。ここを正中(せいちゅう)と言って神様の通り道とされています。 その次が向かって右側の②になり左側(さそく)と言います。 その次が向かって左側の③で右側(うそく)と言います。 昔は左大臣が②の位置、右大臣が③の位置で格上なのは左大臣で、神様からみた時の左右なので最初は言い方を戸惑ってしまうかもしれませんね。
参道を歩くとき、真ん中を避けて通るのが良いと言われるのは、正中の延長線上にあるからなんですね。
会社でも社長に向かって正面きって進んでいくのは、あまりにも失礼ですし、③の位置から歩を進める方が社長も気持ちよく話を聞いてくれるのではないでしょうか?それと同様に鳥居をくぐる時には、左側から入るのが最も望ましいと言えます。
お正月など、大変混雑する時でも、出来るだけ左側、もしくは右側の端をくぐるのが望ましいのですが、中央を通らなければ社殿に向かえない場面もあるでしょう。そういう時は、心の中でしっかりご挨拶してくぐるようにしてくださいね。
鳥居をくぐる時は右足から?左足から?
鳥居をくぐる時には、正中から遠い方の足から第一歩を踏み出すのが基本です。
向かって左側をくぐる時は「左足」から、向かって右側をくぐる時は「右足」からです。
ただ、どうしても中央を通らなければいけない時は、「左足」から歩き始めます。
これは「進下退場上(しんげたいじょう)」と言って、実際に神職さんが実践している作法です。
進むときは左から退くときは右からという意味です。
この作法も正中の場合は、「進左退右(しんさたいゆう)」になり、進むときは左から、退くときは右からに変わります。
第一歩目を、踏み出した後は普通に歩いていただいてかまいません。
参拝時は神様の正面で拝礼して大丈夫です。
鳥居をくぐる時は下座を通りましたが、参拝する時は、神様に拝礼をしますので神様の正面で祈念して大丈夫です。
※御祈祷などは神社によって座る位置が決まっていて正中に座る場合もあります。どこに座ればいいのかは神職さんに聞けば優しく教えてくれます。
まとめ
ここまでのポイントをまとめると
- 鳥居の前で一礼して外側の足からくぐる
- 出来る限り正中は避けてとおる
という事です。ただ、神社参拝で最も重要なのは神様に対する感謝の「心」なので「型」だけにとらわれて心が無くならないようにしましょう。何回か練習してみると自然に体は覚えてくるので、ちょっと頑張って練習して気持ちの良い参拝が出来る事を祈っています。