宮内庁式部職楽部の雅楽講演「舞楽」が国立劇場で4年ぶりに開催されます。
「雅楽」や「舞楽」について、漠然とはしっているけど、じっくりご覧になった事がある方は少ないかもしれません。
ユネスコの無形文化遺産に登録されていたり、日本が誇る世界最古級の芸能なので、全く知らずにいるのは非常にもったいないです
そんな方に、おススメの公演が、国立劇場5月雅楽公演「舞楽」です。
雅楽の上演形態は大きく分けて2種類あり、音楽だけを演奏するのが「管絃(かんげん)」、音楽と舞を演じるのが「舞楽(ぶがく)」です。
今回の演奏は国立劇場には実に4年ぶりの出演となる宮内庁式部職楽部です。
楽部は、重要無形文化財「雅楽」保持者にも認定されている、雅楽演奏のスペシャリストです。
ここ数年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、演奏会の開催が見合わされていた事もあり
楽部の演奏を聴く機会はほぼ皆無でした。
雅楽ファンにとっては待ちに待った公演で、最高峰の演奏に酔いしれるには、絶好の機会です。
雅楽を良く知らない!という方にとっても「雅な世界」を感じるまたとない機会だと思いますので心行くまでお楽しみ頂ければと思います。
曲名のご紹介
今回の国立劇場5月雅楽公演は「舞楽」の代表的な曲がずらりと並んでいます。
・右方「白浜(ほうひん)」(平舞)
・左方「喜春楽(きしゅんらく)」(平舞)
・右方「納曽利(なそり)」(走舞)
還城楽(げんじょうらく)紹介
蛇を食す西域の人々が蛇を得た喜びを表現した舞と言われています。また、唐の李隆基(後の玄宗皇帝)が韋
后を討って帰京した際に作成されたという説もあります。
蛇と桴(ばち)を持って舞う一人舞で、左方・右方の舞をもつ珍しい楽曲です。今回は左方の舞が上演されます。
白浜(ほうひん)紹介
高麗双調(こまそうじょう)の平舞で、由来は不明とされています。
途中、装束の肩をぬいで下襲(したがさね)を出す「片肩袒(かたかたぬぎ)」となり、見た目の印象が大きく変わるのが注目のポイントです。
喜春楽(きしゅんらく)紹介
黄鐘調(おうしきちょう)の平舞で、唐で作られた、大安寺の僧が作曲した等の諸説があります。
「白浜」同様、途中で「片肩袒」となり、「左方」「右方」の違いが楽しめます。
納曽利(なそり)紹介
「双龍舞(そうりゅうまい)」の別名の通り、雌雄の龍が楽しそうに遊ぶ姿の舞だといわれています。
走舞では唯一、二人で舞う楽曲で、鼉太鼓(だだいこ)の迫力を感じることが出来る作品です。
舞楽は中国大陸から渡来した音楽や舞を源流とする「左方(さほう)・左舞(さまい)
朝鮮半島から渡来した音楽や舞を源流とする「右方(うほう)・右舞(うまい)に分かれます。
旋律に合わせて舞う「左方」に対して、「右方」はリズムに合わせて舞い、その名の通り対照的な特徴があります。
今回の公演では、「左方」「右方」それぞれの代表的な曲である
スローテンポで優雅な舞の「平舞(ひらまい)」と、アップテンポで躍動的な「走舞(はしりまい)」が上演されます。
双方の違いを感じながら鑑賞すると、より一層お楽しみいただけると思います。
詳細情報
【日時・場所】
令和4年5月28日(土) 午後2時開演 (午後4時終演予定)
国立劇場 大劇場(〒102-8656 千代田区隼町4-1)
公式サイト https://www.ntj.jac.go.jp/
【料金】
1等席 5,500円(学生3,900円)
2等席 4,500円(学生3,200円)
※料金は税込みです。障害者の方は2割引です。車椅子用スペースがあります。
【チケットのお求めは】
国立劇場チケットセンター 0570-07-9900
[インターネット予約] https://ticket.ntj.jac.go.jp/